この記事は、近年バリ島から日本人観光客が減少した理由を筆者の考察を基に紹介した記事です。
現在のバリ島観光の現状と問題点を知ることができます。
バリ島を訪れる日本人観光客は2010年をピークに減少しています。
2021年から続いたパンデミックによるバリ島の外国人観光客の減少は、2023年に入り増加に転じ、現在はパンデミック以前の状況に戻りつつあります。
しかし、日本人観光客はほとんどバリ島には来ていません。
バリ島の日本人観光客減少の大きな理由は、バリ島が遠いからだと思います。
東南アジアの中でもバリ島は日本から一番遠い位置にあります。
その為、移動に時間がかかり旅費もかさみがち。
日本人旅行者にとってバリ島は行きづらい場所になってしまったと感じます。
この記事ではバリ島に長年滞在し旅行業界の仕事もしていた筆者が感じた、バリ島の日本人旅行者減少の理由について紹介していきたいと思います。
あくまで筆者の感想なので、そうじゃないというご意見もあるかと思います。
でも、一つの考えということでご理解、ご容赦願います。
目次
バリ島まで時間が掛かる
成田空港から台湾(台北)まで飛行機で3時間30分。
ベトナムのハノイまで5時間20分。
タイのバンコクまで6時間15分。
しかしバリ島までは7時間30分かかります。
このように、日本からバリ島は遠い!
移動だけで時間がかかってしまうのですね。
バリ島への直行便が少ない
バリ島への直行便ですが、現在はガルーダインドネシア航空のみとなっています。
しかも、成田空港からだけ。
さらに2023年7月時点で週に3往復。8月は増便されますが、それでも週5往復。
そのうち1往復はインドネシアのメナド経由です。
以前はJALやAirAsiaが直行便を飛ばしていましたし、ガルーダインドネシア航空でも成田以外に関西空港や中部セントレア、福岡空港と日本の複数の空港から直行便がありました。
しかし、現在は成田からの便のみ。
しかも、直行便は高額ということでバリ島旅行を敬遠している方も多いようです。
なぜバリ島は直行便が少ないのか?
それはバリ島は中距離機でないと直行できないからなんです。
Airbus社のA320やボーイング社のB737のような乗客数が150~170名程度の短通路機は航続距離が足りなくてバリ島には飛ばせない。
バリ島へはAirbusA350、ボーイングB787といった複通路で乗客数が250~300名以上の中距離機でないと航続距離の関係で直行できないのです。
その為、多くの乗客数が見込めないと、直行便を飛ばすことができないんですね。
乗継便は敬遠されがち
直行便がなくても乗継便があります。
台湾、香港、シンガポール、タイ(バンコク)、ベトナム(ハノイ、ホーチミン)、マレーシア、フィリピン(マニラ、セブ)、韓国(仁川)など。
乗継便を使えば、安くバリ島まで来ることができます。
しかし、乗継便は時間がかかるという事と乗り継ぎの不安があります。
便によっては、乗り継ぎ時間が短いところもありますが、それでも直行便に比べ移動時間は長くなります。
休暇日数が少ない日本人旅行者にとって、移動時間が借るのは、致命的な欠点なんですね。
そして、乗り継ぎ地での不安や不便。
乗り継ぎ地は外国で言葉がわからないから、乗り継ぎに失敗しておいていかれたらどうしよう、という不安。
また、夜間便なら夜中に起きて乗り継ぎをしなくてはならない。
こんな不安や不便さが乗継便にはあるんですね。
飛行機代が高い
直行便が少なく、日本からの距離が遠いということは、飛行機代も高くなります。
直行便だと10万円オーバー!
ガルーダインドネシア航空の直行便、以前より少しは安くなりましたが、それでも往復で10万円以上します。
3泊4日程度の海外旅行で飛行機代が10万円オーバーはちょっとありえないですね。
LCCを使えば安くなる!
確かにAirAsiaやべトジェットなどのLCCには安いチケットもあります。
2023年7月時点で調べたら往復48,000円というチケットもありました。
でも、LCCって狭くて荷物代も別だからと敬遠される方も多いです。
また、ベトナムやタイなどはLCCを使えば2万円台や1万円後半というチケットもあります。
そこと比べると、なかなかバリ島を選んでもらえないですね。
もっと安くて近い国がある
バリ島が遠いって言っても、ヨーロッパやアメリカより近いでしょう!
確かにそうですね。
でもヨーロッパやアメリカに行く旅行客と東南アジアに行く旅行客は違うんです。
東南アジアを選ぶ旅行客は安近短。
近くて安くて短時間だから東南アジアなんですね。
タイやベトナム、台湾といった他のエリアは直行便もあり安く短時間で行けるのです。
バリ島に思い込みがある方ならいざ知らず、海外旅行に行きたいという方なら、もっと近くて安く行ける他の国を選んでしまうんですね。
今後バリ島の日本人観光客は増えるのか?
今後、バリ島の日本人観光客は増えるのでしょうか?
なかなか難しい問題だと思います。
2023年6月にバリ島渡航に際してのワクチン接種証明書提示は不要となりました。
また、PCR検査や管理アプリのインストールも不要となり、渡航しやすい環境となっています。
パンデミック以前の状況に戻りつつはありますが、完全に戻るのは難しいと思います。
それは、やはり運賃が高いのと移動に時間がかかるから。
今の日本経済の状況では、お金と時間をかけてバリ島に行きたいという方が増えるのは、難しいのではないかなと思います。
ただ、移住をしたい、ノマドワークで長期滞在したいという方も増えてきています。
数でいうと、多いという事ではないのですが、このような人たちから徐々に観光客が増えていってくれることを願います。
2泊3日という短期間の旅行者ではなく、1週間、2週間といった長期間の旅行者が増えていくのかなぁ・・・
コメント
参考になりました。ありがとうございました。
こちらこそ、お読みいただき、本当にありがとうございました
日本人旅行者数は年間ハワイへは約150万人、バリは約20万人
雨季乾季のタイミングや飛行時間もほぼ同じなのにこの差は?
それは単なるイメージの違い。綺麗好き、潔癖症の人が多い日本人は
アメリカのハワイとインドネシアのバリでは衛生状態が大きく違うと
思い込んでいます。
さらに現地の日本人Youtuberなどが流す「汚いワルン」「バリ腹」「不衛生な食事」
など負のイメージをネタとして流しまくっていますよね。
これはYoutubeなどのネット情報の少なかった2029年まではバリ島の国別旅行者数で
日本はずっと1位だったのが今では5,6位である事が示しています。
円安ドル高の今、2024年はバリ島にとって大きなチャンスです。ハワイに比べ半額以下の航空運賃、ホテル代、アクティビティ、スピリチュアルで神々の住む島バリ。
ちゃんとした情報をバリから発信しましょうよ。日本人で「貧乏旅行」「セコ旅行」
を望む人はごく少数ですよ。
コメントありがとうございます。
確かに、東南アジアのバリ島=汚い、危険というイメージが強いですね。
なるべく観光客に受け入れられやすい、快適なバリ島情報を流していきますね。
でも、同じ東南アジアのタイやベトナムはなぜあれほど多くの日本人観光客が行っているのでしょうか?
やっぱり、アクセスだと思いますよ。
タイ、ベトナムまでは日本各地から直行便が出ていて、往復でも2万円台でいけます。
直行便ですので、移動時間も短いし、お手軽です。
一方バリ島は直行便は成田からのガルーダだけ。しかも10万円越え。
安いLCCでも往復5万円以上で、乗り継ぎが不便。
やっぱり、安い直行便が飛ばないと、なかなか旅行者は増えませんね。
距離はそれほど変わらなく、滞在費は高いハワイがなぜあれほど人気があるのか?
一日に複数の飛行機会社が何本も直行便を飛ばし、競争原理により料金も安い。
滞在費がかかっても、行きたくなりますよねー