これはバリ島行かない方がいい?と旅行者が抱く不安を解消するため、バリ島の治安の現状について解説した記事です。
海外旅行での不安材料の一つが現地の治安状況。
治安状況について詳細な情報がないと、どうしても不安が募り、行かない方がよいと感じてしまいます。
バリ島の治安状況は他の国、エリアに比べ良いと言われています。
とはいえ、トラブル事例など聞くと、不安になり、バリ島は行かない方がいいのでは?と感じてしまうことも事実。
そこでこの記事では、バリ島に長期滞在している筆者が感じたバリ島の治安について、解説します。
バリ島全体だけではなく、エリア別の治安状況や、トラブル事例、そして安全にバリ島旅行を楽しむための注意点などを紹介します。
慣れない海外。
いくら治安は大丈夫と言われても不安は募りますよね。
そうぞこの記事を読んでバリ島の治安の現状についてしっかりと認識してください。
そうすれば、安心してバリ島旅行を楽しむことができますよ。
治安以外にも海外旅行には心配なトラブルがいっぱいあります。
バリ島旅行でのトラブルについて、状況と対策をまとめてありますので、ぜひこちらもご覧ください。
>>バリ島旅行で心配なトラブルと対応策
治安状況というものは日々刻々と変わっていくものなので、常に信用できる場所から最新の治安情報を入手することが大切。
以下のサイトは日本国政府による信頼できる最新治安情報が載っています。
バリ島旅行前に一度は目を通しておきましょう。
>>外務省海外安全情報(インドネシア)
>>在デンパサール日本領事館
目次
バリ島の治安はそれほど悪くない
バリ島の治安状況について客観的判断として外務省海外安全情報を、主観的判断としてバリ島在住の筆者の意見を紹介します。
外務省海外安全情報
外務省海外安全情報(インドネシア)によれば、インドネシア・バリ島の海外安全レベルは1です。
レベル1は「海外であることを意識し、十分注意した行動をとる事」となっており、ちゃんと注意をすれば、それほど危険はないということと認識しています。
ちなみに危険レベルは以下の通り
- レベル1:十分注意してください
- レベル2:不要不急の渡航はやめてください
- レベル3:渡航はやめてください(中止勧告)
- レベル4:退避してください(退避勧告)
在住者の治安に対する意見
私は、バリ島に住んでみて、治安の不安を覚えたことはありません。
感覚的に言うと、日本と変わらない。
スリや盗難事件はありますが、これは日本でも発生しています。
日本では国際的なテロ事件は起きていませんが、無差別殺人事件などが発生しており、逆に日本の方が凶悪事件は多いように感じています。
ただし、これはバリ島に10年以上住んでいる私の主観です。
10年も住んでいれば、危険な場所やいざという時の対応方法、そしてある程度のインドネシア語も理解できます。
そのため、事情がよく分からない、言葉ができないといった旅行者とは、ちょっと違った感覚かもしれません。
エリア別の治安状況
バリ島は狭い島ですが、エリアによって特徴があります。
それは治安状況も同じで、エリアが変われば危険度も違う。
ここでは、代表的なエリアの治安状況を簡単に説明します。
クタ・レギャンエリアの治安
クタ、レギャンエリアはバリ島の中で最も華やかなエリアで、クラブ、ディスコ、バーが集まり夜遅くまで観光客で盛り上がっています。
その為、バリ島の中で最も事件が多い場所と言えるでしょう。
よく聞く事件というと
- スリやひったくりと言った窃盗事件
- 酔っ払い同士のけんか!これは観光客同士のものが多い
- 薬物の誘い、大麻や覚せい剤
- 安宿では盗難事件もあります
夜遊びをするのなら、このエリアが一番楽しいでしょう。
でもその分注意が必要なエリアということをしっかりと認識していてください。
スミニャック・チャングーエリアの治安
スミニャック、チャングーエリアはクタ、レギャンより落ち着いたエリアで、バーやレストランもそれほど騒がしくないです。
とはいえ、観光客が多いエリアなので事件、事故も多いです。
- スリやひったくり(裏道などは暗いので注意)
- 酔っ払い運転などによるバイク事故
- セキュリティーの甘いヴィラなどでの窃盗事件
ヌサドゥア・ジンバランエリアの治安
ヌサドゥア、ジンバランは高級リゾートエリアなので、かなり安心して滞在できるといえます。
特に高級リゾートホテルなどは、セキュリティがしっかりしているので安心。
とはいえ、ホテルエリアを離れると道も暗くなるので、次のような事に注意が必要。
- あまり報告はないがひったくり、置き引きには注意
- 道路が悪いところもあるので、転倒などに気を付けて
- 移動はタクシー利用がおススメ
ウブドエリアの治安
ウブドは田舎の小さな村なので、治安はかなり良いです。
バーやレストランも他の地区に比べ早く閉まるので、酔っ払いのけんかなども少ない。
また、ポチャランと言われる自警団組織がしっかり機能しているので、かなり安心できるエリアと言えます。
ただし、このエリアは盗難事件に注意が必要です。
特に田んぼに囲まれたヴィラなどセキュリティが甘い宿での盗難事件が発生しています。
旅行者に最低限守ってほしい治安対策5つ
バリ島の治安状況はだいたいわかっていただけたかと思います。
治安はいい方ですが、それでも事件、トラブルは発生する。
ここでは、そんな事件やトラブルに巻き込まれないために、最低限守っていただきたいことを説明します。
貴重品はセーフティーボックスへ
パスポートや余分なお金などはホテルのセキュリティーボックス(金庫)に預けましょう。
両替など外出先でパスポートが必要な事もありますが、顔写真が写っているデータ面をコピーして持ち歩けばOK!
お金も必要以上持ち歩かないように。
あまり安い宿だと、セキュリティが心配です。
日本の大手旅行会社が取り扱う宿ならセキュリティーは安心できますが、自分でホテルなどを予約する場合はセキュリティーにも気を付けて。
特にドミトリーやカプセルホテルといった共同部屋での宿泊は、貴重品管理に十分気をつけましょう。
また、パスポートやお金は金庫にしまっておいても、スマホやノートパソコンなどを出しっぱなしにしておくのも感心しません。
必ず、机の中やスーツケースの中など見えない所にしまっておきましょう。
暗い夜道は歩かない
ひったくり事件の多くは暗い夜道で起こっています。
まず、夜は出歩かない。
出歩くのなら、人通りの少ない暗い道は歩かない。
どうしても、夜道を移動しなくてはいけない場合はタクシーを利用しましょう。
混雑エリアは貴重品注意
パサール(市場)やショッピングモールなど混雑するところでは財布など貴重品に注意。
お尻のポケットなどには入れず、目の届くところに。
私は、ウエストポーチのカバン部分が前に来るように、斜めがけしています。
また、必要以上のお金を持ち歩かない方がいいでしょう。
知らない人にはついて行かない
子供じゃないんだから、と言いたくなりますが、知らない人には注意しましょう。
特に、バーやクラブで寄ってくる日本語がうまい外国人はいろいろな意味で要注意です。
ついて行かないのも当然ですが、お酒などを奢ってもらうのも避けましょう。
飲み物の中に睡眠薬を入れるこん睡強盗も発生しています。
知らない人が声をかけて来ても無視するのが一番です。
薬物には絶対関わらない
好奇心や軽い気もちで手を出す人もいますが、大麻や薬物には絶対手を出さないように。
ヤクブーツはヤメロ、です。
インドネシアは、大麻や薬物などに対する罰則が日本よりはるかに厳しいです。
現在も、薬物関係でバリ島の刑務所に収監されている日本人がいます。
警察官によるおとり捜査もありますので、薬物関係はダメ!ゼッタイ!です
在住者が聞いた治安トラブル
ここからは、筆者が友人から聞いたり、領事館からの安全情報メールで紹介されたり、ニュースで聞いた主な治安トラブルを紹介します。
ひったくり事件
夜道を歩いていると、バイクに乗った犯人がすれ違いざま、もしくは追い抜きざまにカバンをひったくるという事件。
お金やスマホを盗られたという事も大変ですが、ひったくられたときに転んだり、引きずられたりして大けがをしたという事も。
暗い夜道を歩かない事大切ですが、万一歩く場合は、カバンやポーチは道路とは反対側に掛けるようにしましょう。
すり事件
市場やショッピングモール、イベント会場など人が多い場所ではスリ被害が発生します。
また、道で何人かに囲まれて、気が付いたらお尻のポケットに入れておいた財布がなくなっているという事も。
財布などの貴重品は、すぐに取り出せるような所に入れないように。
カバンの中に入れるのなら、チャックで閉じられるところに入れましょう。
ウエストポーチなども、荷物はお腹側に来るようにしましょう。
盗難事件
盗難事件が多いのは、田んぼの真ん中とか、海沿いといったセキュリティーが甘いヴィラなど。
パスポートや貴重品は、金庫にしまって、パソコンやスマホは出しっぱなしにしないように。
景観がいいヴィラに泊まりたい気持ちは十分わかりますが、セキュリティーにも十分気を付けましょう。
詐欺事件
昔よく報告のあった、ポーカー詐欺、カード詐欺は最近ほとんど聞かなくなりました。
代わりに聞くのが「お金見せて詐欺」
日本語がうまい外国人が近寄ってきて、日本のお金を見せてほしいと話しかけます。
親切に、お札を何枚か見せると、そのうちの数枚が抜かれているという詐欺。
鮮やかな手口で全くわからないそうです。
よく言われることですが、用もないのに近寄ってくる人。
特に日本語がうまい外国人には、要注意。
もし、そんな人に会っても、無視しておくのが一番です。
テロ情報などは外務省海外安全情報を
バリ島では過去2回自爆テロ
バリ島では2002年と2005年の2回、クタとジンバランで自爆テロがあり、多くの人が犠牲になりました。
しかし、それ以降一度もバリ島ではテロ事件は起きていません。
これは、事件後人が集まるところでのセキュリティーを強化したことや、地域での不審人物の監視強化によるものと思います。
とはいえ、テロはいつどこで起きるか予測はできません。
バリ島に限らず、海外安全情報などで治安情報を掴んでおきましょう。
旅行前に外務省海外安全情報を確認
旅行前には、必ず外務省の海外安全情報を確認しましょう。
>>外務省海外安全情報
バリ島に来られる場合は、現地デンパサールの領事館サイトも確認しておくとより良いです。
>>在デンパサール日本領事館
また、実際に海外旅行に出る場合は、外務省の安全情報配信サービスたびレジの登録をおススメします。
登録した場所の最新の治安情報、災害情報が配信されますので、万一の時に素早い行動ができます。
>>外務省海外安全情報配信サービス「たびレジ」
外国人観光客によるトラブルが多発
コロナ騒動も収まり、バリ島も外国人観光客が増加しています。
しかし、それに伴い、外国人観光客によるルールやマナー違反といったトラブルが多発。
それにより治安悪化の懸念もあります。
ここでは、外国人観光客によるトラブル事例とそれに対する州政府の動きなどを紹介します。
トラブル違反事例
外国人観光客によるルールやマナー違反が続き、現地の方とのトラブルが多く発生しています。
その一例を紹介します。
バリ島の伝統、文化、宗教の冒涜
バリ島の住民にとって、お寺など神聖な場所はとても大切な場所。
しかし、最近それら神聖な場所で外国人観光客による蛮行が増えています。
具体的にいうと、神聖な場所でのヌード撮影。
撮影者はアートといっていますが、地元の方にしたら言語道断の行為です。
他にも、伝統、文化、宗教を冒涜するような行為が増えています。
交通事故の増加
ノーヘルや無免許運転といった交通法規を無視してバイクを運転する旅行者が増加しています。
特に、運転したことがないバイクを無免許で運転し、操作方法を誤り暴走事故を起こしたり、信号など法規を無視する運転による事故も増加しています。
バイクは好きな時に好きなところに行けて大変便利な交通手段です。
しかし、一歩間違えば大きな事故を起こしかねません。
法規やマナーを守って利用してもらいたいものです。
違法就労の増加
ロシアとウクライナの紛争の関係で、バリ島に長期滞在している方が多くいます。
潤沢な資金をお持ちの方はいいのですが、そうでない方は滞在資金が厳しくなってきたため、観光客相手にビジネスをされる方が出てきています。
もちろん、バリ島、インドネシア国内で仕事をするには就労許可と労働ビザが必要。
それらがない状態での就労は違法就労となります。
バリ州政府の対応
外国人観光客によるルール、マナー違反やトラブルに対応するため、2023年5月30日にバリ州知事より外国人観光客向けの規制法が発令されました。
規制法といっても、バリ島の文化、伝統、宗教をリスペクトし、ルール、法律、マナーを守ってほしいという内容。
節度ある行動をとれば、島内観光にはなんら問題はありません。
ただし、無免許運転や交通法規違反に対しての取り締まりは強化されました。
ノーヘルや一方通行の逆走、信号や標識無視などの取り締まりが厳しくなりました。
また無免許運転の検問も増えています。
日本の国際免許はインドネシアでは使用できません。
つまり、日本人観光客はレンタルバイクなどは利用できない事を認識ください。
バリ島の治安についてのまとめ
今回は、バリ島の治安について解説しました。
記事中でも述べていますが、バリ島の治安状況はそれほど悪くなく、私個人の感想としては日本と変わらない、いや凶悪事件などを見ると日本の方が怖いです。
とはいえ、海外で言葉も通じにくいですし、観光地ですのでいろんな方が集まってきています。
何があるかわかりませんので、しっかりと注意をし常識的な行動をとるように心がけましょう。
また、バリ島に旅行される場合は、外務省の海外安全情報をしっかり確認し、旅レジ登録を忘れずに。
備えあれば憂いなしです。